スペイン旅行記―4日目

マドリードから離れる日がやってきてしまった。
朝6時30分起床。少し寝坊してしまったのでいつもより急いで準備を済ませ、食事をして8時20分にホテルをチェックアウト。ホテル前に停まっていたタクシーに乗り込み、空港へと向かう。
朝の通勤でマドリードの道はどこも混雑。ホテルに向かうときは20分程度で行けたものの、帰りは混んでいて、いつのまにか9時を回る。少し焦る。出発は11時10分、間に合うだろうか。

タクシーは9時20分にマドリード・バラハス空港に到着した。
すぐにチェックインカウンターを探そうとするが、テレビモニターの案内にはコペンハーゲン行きが無い。焦りまくりながらスパンエアーのカウンター、空港係員などに聞きまくる。
スカンジナビアのカウンターではないか?」といわれ、最初間違ったところを教えられたのであわてたが、どうにかカウンターを発見。ターミナル1ではなくターミナル2だったのだ。
間に合うだろうかと祈りながらチェックインカウンターに並んだが、なんのことはない、9時50分には特に問題なくチェックインを済ますことができた。国内線扱いということか、一安心。ユーロボーナスのことなどすっかり忘れていたが、何も言わずとも加えてくれたみたいだ、Glacias!

残り時間で土産物屋を買おうとしたが、なにも見当たらない。
国内線扱いだから免税店は無いのだろう。しかたないからコペンハーゲンで買うことにする。
ところがコペンハーゲン行きの案内ボードにDELAYEDの文字。そんなに遅れないとのことだったが、出発したのは12時だった。これはコペンハーゲンで1泊か? 1日余分に休みを取っていた俺としては嬉しい反面、友人は旅行の次の日から休みだったからどうしようかと悩んでいたという。

コペンハーゲン到着は15時20分。定刻より55分遅れだ。成田行きの飛行機は15時45分出発。間に合わないかと思われたが、なぜか成田行きの飛行機も20分DELAYEDで16時05分出発に変わっていた。
まだ45分ある、これは間に合うと思い、早足で歩きに歩いたらすぐに出国審査場の近くまで来ていた。これなら5分くらい買い物しても大丈夫だろうと大急ぎで買い物を始めるが、なんと友人が買ったもので何かあったらしくレジのおばさんと二人で売り場に戻ってしまった。
そうこうしている間に時間は進んでいく。乗り遅れたら翌日の飛行機にも乗せてくれないだろう、これはやばいと焦りまくる私。
なんでも同じ種類で友人が買ってきたのよりも大きく安い、特価のウィスキーがあるので変わりに選んでくれたんだとか。急いで会計を済ませて速攻で走って出国審査場へ。
出国審査場で聞こえてくるのは日本語のアナウンス。さらにはテレビモニターにはClosing(搭乗終了)の文字。
前に並んでいたお兄さんが前を譲ってくれたので、Glacias(ありがとう)と叫びつつ出国審査官に航空券を見せると、Pasaporte!(パスポート!)と言われてしまい、あわててパスポートを渡す。すると、出国審査官が怪訝な顔をしながらまじまじと私の顔を眺め、ちょっとドキッとしたが無事審査終了。あとで気がついたのだが、スペイン語で挨拶していたので私をスぺイン語圏の人だと思ったのだろう。
とにかく走りまくってゲートまで行くと、係員がOH!!と驚きながら迎えてくれて、なんとかゲートに入れてくれた。More, one person!(もう1人、と言ったつもり)と言っていると友人も走ってついてきた。
なんとか間に合った! 私は安堵のため息をついた。しかしこんな無茶なこと、もう絶対にしないぞ!

かくして成田行きの飛行機は16時05分、定刻より20分遅れで出発した。コペンハーゲンのみんな、Tak!(ありがとう)