朝日新聞の文芸賞記事を考える

今日朝日の1面に文芸賞が最近変わってきていることが記事になっていた。
いままで文芸賞といえば、最終選考には名だたる作家が名を連ねていたのですが、最近新設された賞の中には、選考委員に作家がいないものが少なくないそうだ。
要は作家の視点ではなくて、読者の視点として面白い作品を選ぶことが、本の売上(ビジネス)に繋がっていくという考えだろう。
こういう類の話を聞くとため息が出る。
正直言って売れればなんでもいい、ととることもできるのだから。
作者の狙いとか、もっと深い部分での作品の技巧が一番わかるのは作家でしかなく、素人の選考によってそう言った部分が見落とされてしまうのだとしたら、それは文芸にとって冬の時代の到来を意味することになる。
文壇の崩壊が叫ばれて久しい今日この頃…。出版不況とあいまって暗澹としてしまう。
師匠の阿部先生が仰られていたが、本当に良い小説は同人誌にあると言う。確かにその通りかもなあと思った。